エニグモの有価証券報告書(12/1期)を見て

エニグモの2012年6月19日のマザーズ上場承認を受けて、友人が公表された有価証券報告書(1の部)を見たということだったので、ぼくも目を通してみた。いつも仕事で見ている財務諸表とはあまりに異なる数字の作りに驚いた。また、プライベートで財務諸表を見てみるキッカケになった会社でもある。

enigmo
分析のメモ

事業の概要

BUYMA(バイマ)という海外在住のバイヤーから世界中のブランド品を購入できるソーシャルショッピングサイトを運営している。過去に広告事業を行っていたが、11/5月に撤退したとのことである。

業績/財務の状況

現在は12/1期の売上高は9億円、粗利7億円、営業利益は2億円であり、これを従業員40名で回している。粗利率(72%)、営業利益率(24%)、一人当たりの業績(売上高23百万円、粗利16百万円および営業利益5百万円)は一般的な製造業小売業等と比して高い水準と分析される。
また、12/1の総資産13億円で、そのうち現預金10億円である。外部からの有利子負債(社債、銀行借入)の調達はなく、全て自己資本でビジネスを回している状況である。(上場したことについては色々な見方があると思われる)

CtoCビジネス

エニグモの有報を見て、改めてCtoCのビジネスについて考えた。面白いのは「これからの都市生活」で挙げた「誰でも作り手になり、売り手になる」「人と人の繋がり(コミュニティ)を生む」「モバイル(移動性)」などの論点との整合性だろう。
「バイヤー」はプロフェッショナル(専門家)である必要はなく、また、(ボクはバイマを使ったことがないが)購入者とバイヤー間のやり取りは単なる商品売買を超えたコミュニケーションが生まれていると考えられる。もちろん、特定の店舗などない。

その他のCtoCビジネスと「これからの都市生活」

他にどんなCtoCがあるのだろうと考えると、古くは「ヤフオク」「Amazonの中古品売買」、最近では「Etsy」「AirBnB」「Cyta」。そして、実はウェブだけではなく、リアルも含めたとしたら、「フリマ」「ブックオフ」「自由大学」等も含まれるかもしれない。
このようなサービス、取り組みが「これからの都市生活」とどう関係しているのか、そして、今後どのように発展していくのか考えていきたい。