【らしくあるための憲法】第1条:ぼくらは、ぼくららしくあるようにできている
「これ、こないだうちの押し入れから見つけたんだ。」
右手には、薄汚れた大学ノート。
「なんだよ、それ」
ほこりを払うと表紙にはマジックで『らしくあるための憲法』と書かれている。
「見てみようぜ」
ふたりで、そーっと開いてみると、
第1条:ぼくらは、ぼくららしくあるようにできている
と紙が少し茶色がかったノートに、殴り書きの文字が並んでいた。
「ボクララシク?なんだろう…」
そのすぐ下には、いくつか箇条書きで文字が並んでいる。
【第1条の解説】
第1条の文章に目を通すと、ふたりは顔を見合わせた。
「なんだこれ。ロッケンロールって、内田裕也かよ。」
そして、ふたりがページをめくろうとしたとき、強い強い風が吹いた。
飛ばされないように身を丸くしたふたりがふと目を開けると、手元にあったノートがすっかり消えてなくなっていた。
「らしさって、なんだろう?」