ガラス一枚隔てた家の外にまだまだ寒い風が吹いている朝でも、練習を終えたマットの上にはしたたり落ちた汗の跡が残っている。
激しく呼吸をし、バンダを締め付け、丁寧にポーズをとっていく。あるときから身体が熱くなるのを感じ、頭の毛穴が開いていく。汗は首から肩をつたい、腕へと流れる。膝下からすねに流れる汗もある。ポーズによっては脳天を床に向けることがあり、そのときには汗が脳天に一気に集まり、タッタッタッと汗がマットにしたたるのがわかる。
からだのなかにある悪いものが呼吸とバンダの締め付けで圧縮され、それらが汗に混ぜ合わさって静かにからだの外に流れ出ていく。
